オフィスM
北関東を拠点とする電材メーカーの営業部門をまとめるオフィス改修。当初はエントランスホールのみの更新として始まった計画だったが、丁寧なヒアリングを重ねるなかで、上下足の切り替え、来客動線、水回り、休憩室、オンライン打合せブースなど、日々の業務の中で少しずつ蓄積していた使いにくさが見えてきた。本計画では、入口の印象を整えることに留まらず、それぞれの動線や要素を個別に最適化しながら、組織を整えるように、新旧の関係性を読み解いていった。大きくつくり替えるのではなく、既存建物が持つモダンな骨格、企業の時間、現場に残る素材の質感を受け止めながら、必要な要素を適切な位置へ配置している。木の壁面、落ち着いた色調の床、オリジナルのサイン計画など、新しく加える要素が既存の素材や構成と調和し、互いを引き立て合う関係を目指した。働く人、訪れる人、既存の空間が無理なく共存する状態を整えている。小さな不便の解消を重ねることで、来客を迎える品位と社員の日常的な使いやすさを両立し、企業が育んできた時間を次の働き方へとつなぐ改修である。
所在地:群馬県
延面積:117㎡
主要用途:事務所
構造/規模:RC造/2階
竣工:2023
写真家 : Masao Nishikawa
グラフィックデザイン : Grotesk Ryo Honma





