Kraft Architects

猟人が暮す谷の工房

 「ヒトと森の境界」をテーマにワークショップの開催や講演等の活動を行う、若い狩人から依頼された計画である。その活動の拠点として、獣害駆除から皮処理、革製品の製作・販売ができる空間の計画を依頼された。狩人が自ら殺めた動物を通して森の尊さを教え、伝えるための工房である。
 敷地は、街から森へ入るための谷地にある。そんな「ヒトと森の境界」にある場所には、建築でも自然でもないような、それでいてどちらの価値も許容できるような大らかな在り方が相応しいように思えた。狩人が森のなかで暫定的に身を潜める野営地のような場所である。「ヒトと森の境界」を更新するような場所、ヒトが森に立ち入ることで森の生命が循環する、そんな起点となるような場所にしたいと考えた。
 若い狩人が必死に生み出したものを求めこの工房を訪れると、思わず森に祈りたくなるような、そんな生きた廃墟のような空間になればと思っている。

所在地:岐阜県高山市  
延面積:250㎡  
主要用途:工房・物販店舗・集会所
構造/規模:木造/1階  
竣工:2022年予定 images : Kraft Architects 
構造設計:Hafnium architects
AWARD:日本建築設計学会 Architects of the year 2019
掲載:建築設計vol.08 (日本建築設計学会)